キャンペーン

Love is Free Campaign 第一回蚊帳配布レポート

蚊帳の配布

2010年2月、マラウイに到着。
二回目となる今回の訪問の目的は、Love is Free Campaign※1の中心でもある、蚊帳を配ること。第1回目の配布となる今回は、500張の蚊帳を購入し、タンザニアの工場からマラウイまで運びました。

人口約1200万人という小国のマラウイでは、主要な死亡原因の一つにマラリアがあります。ハマダラ蚊を媒介して感染するマラリアは、アフリカでは深刻な問題です。

30秒に一人、子どもがマラリアで亡くなる現実。妊娠している女性がマラリアにかかると、生まれる子どもに重度の障害が出ることもあります。また、働き盛りの男性がマラリアにかかると、働けないので、生活も厳しくなります。ある統計では、マラリアによる経済損失は、1.2兆ドルとも言われています。

そのマラリアは、蚊に刺されないことで予防ができる病気です。そしてその予防に有効なのが、蚊帳。夕方以降に活動を始めるハマダラ蚊を予防するのには、寝るときに蚊帳の中で寝ることが、効果的でもあります。

今回のキャンペーンでは、子どもたちが安心して眠り、健康を守ることができるようにするために、蚊帳を配ります。今回は、殺虫剤が練りこまれた蚊帳を配布します。殺虫剤の効果は5年。5年間、子どもたちの安全を守ることが試みられます。

マラウイ到着後、さっそく今回のスケジュールに関するミーティングを行います。細かいスケジュールの調整や変更は、現地に着いてから。前回マラウイを訪れた時も現地のチェワ語の通訳として協力してくれたチャールズが、今回も手伝ってくれました。

到着した次の日、さっそくコンソル・ホームズ・オルファン・ケアへ向かいます。マラウイにある日本大使館の協力で、今回の配布事業に関心を持ってくれた現地メディアも同行してくれました。

首都リロングウェから車で40分。幹線道路から外れ、舗装されていないでこぼこ道を進みます。通り過ぎる家の周りで遊んでいた子どもたちが、こちらを見て、指をさして口々に何か叫んでいました。

集落を抜けて、拓けたところに出ると、向こうに緑色の屋根が見えてきます。
コンソル・ホームズ・オルファン・ケアです。

到着を待ちかねたように、歌い始める女性たち。彼女たちの多くは近隣で生活して、このセンターにはボランティアとして通っています。子どもたちへの食事の提供などを手伝っています。女性たちの後ろには、タンザニアから到着した蚊帳が、梱包された状態で置かれていました。

センターで久しぶりにチャポンバ先生と再会。
久しぶりに会うと、本当に懐かしく、そして嬉しさがこみ上げてきました。
Love is Free Campaignは、このチャポンバ先生が、前回訪問した際※2に私たちに言った
「Love Is Free。愛は売るものでも、買うものでもない。ただ与えるもの。私たちにはお金はありません。でも、私たちは泣いている子どもを抱き締めることができる」と話した言葉から生まれています。
チャポンバ先生のそのやさしさと、やさしい気持ちを子どもたちに伝えようという気持ちが、このキャンペーンの原動力でもあるのです。

子どもたちが集まり始め、蚊帳の贈呈式が始まります。
ここコンソル・ホームズ・オルファン・ケアは全国に76の支部を持っており、本部には約2000人の子どもが登録しています。子どもたちはそれぞれ住んでいる地域に応じて5つのブロックに分けられ、そのブロック毎に登録されています。配布は、この5ブロックに登録している、子どもたちの名前を照らし合わせながら行われました。登録している子どもの名前をチェックすることで、蚊帳が重複して配られることを予防するだけではなく、その後の使用状況など追跡調査を可能にすることが期待されています。
配布を予定していた当日は、コンソル・ホームズ・オルファン・ケアがある、コミュニティのリーダー格の長老の子どもが亡くなり、そのお葬式があった関係で、参加した子どもが100名あまりでした。そこで贈呈式を2日間に分けて実施しました。

この配布で大切なことは、ただ蚊帳を配るだけではありません。配る前に、使い方をきちんと説明する必要があります。使い方を知らないために、自分の洋服の生地に使用したり、魚を採る網に使用することが、しばしば指摘されます。そこで、蚊帳を眠るときに使用するのだ、ということやその使い方を、チャールズやチャポンバ先生が説明してくれました。

子どもたち一人ひとりに、Child AFRICAスタッフが蚊帳を手渡します。
お辞儀をして、お礼を言って受け取る子ども。
照れて、何も言えずに受け取り、走り去る子ども。
緊張しきって涙目になっている子ども。
たくさんいました。
受け取った全員が、蚊帳をきちんと使い、マラリア予防ができますように。
そう願いながら、蚊帳を渡しました。

今回の500張は、コンソル・ホームズ・オルファン・ケアに通う子どもが総勢14,000人であることを考えると、全く足りない数です。でも、一度に必要な蚊帳を送るのではなく、継続して、少しずつでも蚊帳を配り、その成果を日本国内で共有する。そこにこそ、キャンペーンに込められた、アフリカの人と日本の人がつながり、お互いを思いやれることにつながるのだと、Child AFRICAでは考えています。

続けること。
思いを届けること。
直接蚊帳を必要としている人に、手渡しで渡すことで、間違った使われ方や、蚊帳が転売されるのを防ぐこと。
さまざまな思いが、このキャンペーンには込められています。

贈呈式で、Child AFRICAからも簡単なスピーチをしました。
その中で、このキャンペーンは、チャポンバ先生の「Love is Free」というメッセージ抜きには始められませんでした。と話したら、集まった人から盛大な拍手が湧き上がりました。

私たちにできること。 蚊帳を配ること、マラリアのことを日本で紹介すること。
そのすべてが、「Love is Free」という言葉でつながり、アフリカの子どもたちに届くのを感じた瞬間でもありました。

※1 : Love is Free Campaign特設サイトはこちらから
※2 : 前回のマラウイ訪問レポートはこちらから

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